株式会社 Parasol|伊藤 早紀

伊藤 早紀(いとうさき):愛知県出身。名古屋市立大学経済学部を卒業後、人材広告代理店の営業として入社。その後、物流ベンチャーの経理を経てリクルートコミュニケーションズに入社。2017年に株式会社Parasolの創業メンバーとして参画。マッチングメディア「マッチアップ」の編集長として立ち上げを経験。結婚相談所の所長や未婚男女のマーケティング機関「恋愛婚活ラボ」の所長も兼任し、1000人以上の未婚男女に取材を行う。恋愛・婚活・マッチングアプリのスペシャリストとして、MBS毎日放送「初耳学」やテレビ朝日「出川のWHY?」など多数メディアに出演。2022年より株式会社Parasol代表取締役社長に就任。

どんなメディアでもSEOを無視できないし、良くも悪くも左右されてしまうもの。ある意味では苦肉の策でもあった施策が、新たな恋愛ビジネスとして陽の目を浴びたという「ヒトオシ」。株式会社Parasolの伊藤社長に、タチアゲからスケールまでの秘話をお聞きしました。

恋愛好きから恋愛ビジネスのタチアゲへ

─はじめに、伊藤さんと恋愛ビジネスとの出会いについてお聞きしたいのですが

まず、弊社の会長である傘(傘 勇一郎氏)が、以前から恋愛メディアをやっていたんですね。また、私は以前から恋愛にとても興味があったので、とにかく恋愛に関する情報は手当たり次第に集めていました。相手がどうこうより、恋愛そのものが好きだったんです。

─傘さんとの接点はなにがきっかけだったのでしょう

HIU(堀江貴文氏の主催サロン)内に恋愛部があり、傘がリーダーを務めていたんですね。私も恋愛が好きですから、「マッチングアプリもやってます!」など素直に想いを伝えたところ、「じゃあ、なにか一緒にやってみようか」という話になって。

当初は傘が開催するマッチングアプリ講座やセミナーに参加したり、男性向けのメディア用にブログを書いたりしていました。私はリクルートにいたので、副業のようで遊んでるようでもあるというか、お手伝い的な感じでしたね。その後、Parasol初のメディアとなった男のためのデートマガジン「Forky(フォーキー)」の編集長を募集する投稿がHIU内にあったんです。なんのノウハウもキャリアもありませんでしたが、やりたい一心でローンチから参画させていただきました。

楽しすぎるからこそ仕事として本気になれた

─伊藤さんは行動力が圧倒的に早いというか力強いですよね。編集長ということはリクルートを退社されたのでしょうか

いや、平日はリクルートに出社しないといけないので、夕方以降と土日が終日Forkyにコミットですね。すべてに関わって表現できない忙しさでしたけど、まったく苦痛を感じないほど楽しんでいました。リクルートとParasolの活動が続く中、もっと恋愛の事業にフルコミットしたいと思うようになり、私のやるべきことはParasolだなと感じていました。

「寝る時間もないほど忙殺されてましたが、楽しすぎて私の天職だと思います(笑)」

─完全に恋愛の世界で生きていこうと。メディアとしてのForkyはスケールできましたか

実は、Forkyのスケールの道を模索しているときに、出資してくださったソラシードスタートアップスの柴田さんからマッチングアプリがこれから流行るよと。メディアをやってみればとご提案をいただきました。私たちはマッチングアプリを当時プレイヤーとしてかなり利用していて、かつコンサルもしていたので、そちらで攻めようとアドバイスをされました。そこで、「マッチアップ」という出会い&婚活メディアを立ち上げ、2019年に株式会社キュービックと資本業務提携が決まりました。

恋愛サービスとしての品位を守り抜いた

─数ある恋愛メディアの中でも、Parasolのサービスは他社と一線を画している印象があります。どのようにメディアを差別化したのでしょうか

2つあります。1つは顔出し実名で私自身が編集長としてブランディングしていたこと。SEOはサイトの信頼性がとても大事なので、当時「マッチングアプリをやっている」と顔出しする女性として差別化ができました。もう1つは、弊社のクレドに「美しく稼ぐ」というものがあり、パパ活とかナンパとか、少しダークなカテゴリでお金を稼ぐことは一切行いませんでした。そこもブランディングにつながったと思います。

─SEO頼みでもあるメディアが抱える悩みのタネとして、Googleアップデートの問題はいかがでしょうか

まさにおっしゃる通りで、Googleの気分次第というと大げさですが、売り上げが安定しにくい懸念があります。安定した事業を作るために、結婚相談所を始めたりLINEで悩みや恋愛相談を募ったり、メディアと並行して模索していましたね。そんなタイミングで訪れたのが、2020年の新型コロナ騒ぎだったんです。

積み上げた実績から生まれたサービス「ヒトオシ」

─特に2020年は、すべての人がストレスになるほど誰にも会えなくなってしまいました

外出できないということで、オンラインデートはもちろん、お見合いもオンラインによって気軽にできるはずだと感じたんですね。すると、これまで手がけていたすべてが生きてくるはず。恋愛メディアや結婚相談所・恋愛相談などのおかげで、それぞれのメリットもデメリットも分析できたいてので、すべてのピースが繋がった瞬間でした。

「外出ができなくなったことで、スキルや経験値が一気に“ヒトオシ”として開花したと思います」

─いよいよマッチングサービス「ヒトオシ」が誕生したわけですね。どのようなステップでスケールしていったのでしょうか

最初は手探り状態で、かなり小さな範囲でスタートしました。2020年は、まず無料でやりますということで募集したところ、約200名の申し込みがあったんです。その内の100名ほどを私がひとりで面談してお見合いまで行いました。それほど当初のヒトオシはスモールスタートだったんです。当然、現在のヒトオシに比べたら低いレベルですが、20%ぐらいはカップルとして成立できたんです。しかも、表現はともかくこのクオリティで結果が出たのだから確実に需要はある。いけると確信しました。その後、2021年から有料化し、パーソナライズ婚活サービスとして提供しています。

理想とされるスモールスタートで事業をスケールした伊藤社長。手探りの状態でユーザーニーズを見出し、婚活というレッドオーシャンに飛び込んだサービス「ヒトオシ」。自身が純粋に好き+得意なことを追求した結果、業界でも一線を画す新しい婚活スタイルを確立させている。

会社名株式会社 Parasol /Parasol Inc.
住所東京都港区芝公園4-6-8 bijin-BLDG. 3F
代表伊藤 早紀
設立2017年1月23日
Webhttps://match-app.jp/company/
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